辞めたい・転職判断

辞めたほうがいい介護施設の特徴|残る・相談する・離れるを決める判断基準

なやま

「この施設、辞めたほうがいいのかな」

「問題はある。でも、介護施設ならこのくらい普通なんだろうか」

「相談すれば変わるのか、それとも、もう期待しないほうがいいのか」

今の職場に違和感があっても、一つ嫌なことがあっただけで「辞めたほうがいい施設」と決めるのは難しいと思います。

介護現場では、忙しさ、人間関係、ケアの方法、情報共有など、大小さまざまな問題が起こります。

だからといって、

「どこの施設にも問題はあるから」

と、すべて我慢する必要もありません。

私がこれまで複数の介護現場で働いてきて感じるのは、見るべきなのは問題が一つでもあるかではなく、問題が起きたときに、その職場が問題として扱い、修正できるかということです。

辞めたほうがいいか迷っているなら、職場を「安全」「ルールへの姿勢」「健康への影響」「相談後の改善」「教育と情報共有」の5つから見直してみてください。

この記事のポイント

辞めるか迷ったときは、問題があるかだけでなく、その職場が問題を確認し、修正できるかを見ます。

安全・ルールへの姿勢・健康への影響・相談後の改善・教育と情報共有の5つから、今の職場に残れる条件があるかを整理します。

安全や健康への影響が大きい場合は、「もう少し様子を見ること」を前提にしません。

辞めたほうがいい施設は「問題があるか」だけでは決めにくい

問題がまったく起きない職場を探すのは、現実的ではありません。

介護現場では、申し送りがうまくいかなかったり、職員同士で考え方が違ったり、ケアの方法について見直しが必要になったりすることがあります。

大切なのは、その後です。

問題が起きたときに、

「何が起きたのか確認しよう」

「今のやり方で大丈夫なのか見直そう」

「必要ならルールを変えよう」

と動ける職場なのか。

それとも、

「昔からこうだから」

「そこまで気にすることではない」

と、そのままにする職場なのか。

私はこれまで、問題を伝えれば話を聞き、必要な確認をして、状況によってはやり方を変え、その後の対応まで説明してくれる現場も経験しています。

それは、何も問題が起きない職場という意味ではありません。

むしろ、問題が起きても修正しようとすること自体が、まともに運営されている現場では大切なのだと思います。

反対に注意したいのは、問題があること以上に、問題を問題として扱えなくなっている状態です。

ここから、今の施設に「残れる条件」があるかを5つの観点で見ていきます。

今の施設に「残れる条件」があるか、5つの観点で確認する

1.利用者や職員の安全が軽く扱われていないか

最初に確認したいのは安全です。

たとえば、

「このケアを続けて大丈夫なのだろうか」

「このままだと利用者さんに影響が出そう」

「職員側も、このやり方では事故につながりそう」

と感じる場面があったとします。

このとき重要なのは、現場職員一人で「これは違法だ」「これは虐待だ」と結論を出すことではありません。

気になることを伝えたときに、安全上の懸念として確認されるかを見ることです。

とくに、虐待が疑われる行為や、身体的拘束等に当たる可能性があるケアは、単なる「職員によるやり方の違い」として流せる問題ではありません。

厚生労働省は、高齢者虐待防止や身体拘束廃止・防止に関する手引きなどを公表しています。また、介護保険法に基づく運営基準でも、身体的拘束等について一定のルールが定められています。

個々のケアについて、現場職員一人で法的な判断まで下す必要はありません。

ただ、少なくとも「もう少し様子を見よう」だけで済ませず、安全上の問題として確認・共有されるかを見る必要があります。

職員側の安全についても同じです。

介護現場の事故や労働災害は、「各自が気をつければいい」だけで終わるものではありません。

一度事故があっただけで「辞めたほうがいい施設」と決める必要はありません。

見るのは、危険が分かったあとに確認や対策が動くかどうかです。

2.法令やルールへの疑問を「昔からこうだから」で終わらせていないか

介護現場では、長く続いているやり方が、そのまま「普通」になっていることがあります。

もちろん、昔から続いている方法がすべて間違っているわけではありません。

一方で、

「これ、本当にこのままで大丈夫なのかな」

と疑問を出したときに、

「昔からこうだから」

だけで話が終わる職場は注意が必要です。

ここでも、自分で法律違反かどうかを判定する必要はありません。

見るのは、疑問が出たときに確認しようとする職場かどうかです。

長い間同じ状態が続いていると、本来なら一度見直したほうがよいことまで、職場の中では当たり前になってしまうことがあります。

周りの職員も慣れている。

管理者も特に疑問を持たない。

新しく入った人が違和感を伝えても、

「うちはこうだから」

で終わってしまう。

こうなると、問題が一つあるというより、問題を見直す感覚そのものが弱くなっている可能性があります。

「みんな普通にやっているから、自分が気にし過ぎなのかも」

と違和感を消す前に、その職場の普通と、本当に確認が必要なことは分けて考えてよいと思います。

3.働き続けることで、健康への負担が大きくなっていないか

職場を見るときは、自分の健康への影響も外せません。

人間関係が悪い。

人手不足が続いている。

相談しても変わらない。

気になることがあっても毎回飲み込む。

一つひとつは「まだ働ける」と思えても、それが長く積み重なることがあります。

ここで考えたいのは、

「まだ出勤できるか」ではなく、「この環境に居続けながら、負担が小さくなる見込みがあるか」

ということです。

休んだり、業務を調整したり、問題へ働きかけたりすることで負担が小さくなる余地があるのか。

それとも、同じ環境へ戻るたびに負担が積み重なっていくのか。

健康への影響について、この記事で病名や治療の判断をすることはできません。

ただ、心身への負担が大きくなっているのに、

「もう少し頑張れば慣れるかもしれない」

だけで残る判断を続ける必要もありません。

4.問題を伝えたあと、組織が改善へ動くか

私が職場を見るうえで特に大きいと思っているのが、問題を伝えた後の反応です。

相談したからといって、希望したとおりに全部変わるとは限りません。

問題によっては、現場のチームで調整できることもあれば、管理者や法人レベルで判断しなければならないこともあります。

それでも、

  • 話を聞いた
  • 何が起きたのか確認した
  • 必要な人に共有した
  • できる調整をした
  • すぐに変えられない場合は、その理由や今後の対応を伝えた

こうした動きがあるかどうかは見られます。

ここで、「一回相談したのに完全に解決しなかったからダメな職場」と判断する必要はありません。

むしろ見たいのは、問題を受け取ったあとに、組織として何かが動いたかです。

そして、一回の相談だけを見る必要もありません。

長く働いていれば、それまでにも大小さまざまな課題があったと思います。

小さなミスが起きたとき。

職員から意見が出たとき。

同じトラブルが繰り返されたとき。

そのたびに、職場がどう反応してきたか。

その積み重ねも、今回の問題が改善されるかを見る材料になります。

5.職員が意見を言えて、必要な教育や情報共有が行われているか

問題を修正できる職場かどうかは、大きなトラブルが起きたときだけに表れるものではありません。

普段の空気にも出ます。

私が特に大きいと思うのは、職員から意見が出たときに、頭ごなしに否定されないことです。

「それは違う」

「余計なことを言わなくていい」

と最初から閉じるのではなく、

「なぜそう思ったのか」

「実際どうなっているのか」

を聞ける。

さらに、職員が普段から疑問や意見を出しやすい環境がある。

こうした職場では、小さな違和感の段階で問題が表に出やすくなります。

教育や情報共有も同じです。

新人や異動してきた職員へ必要な説明がある。

ルールが変わったら共有される。

人によって説明が違うなら確認する。

安全に関わることは必要な教育を行う。

研修の回数が多ければ良い職場、と単純に判断する必要はありません。

大切なのは、職員が必要なことを知り、疑問を出し、必要なら職場側が修正できる状態になっているかです。

「相談しても意味がない」と感じるなら、その理由を事実に戻してみる

「まず相談してみましょう」と言われても、

「どうせ今回も変わらない」

と感じることがあります。

それが単なる思い込みとは限りません。

  • 以前も同じ問題が放置された。
  • 意見を出した職員が否定された。
  • 必要な確認がされなかった。

こうした対応を何度も見てきたのであれば、過去の組織対応そのものが、今回どこまで改善を期待できるかを考える材料になります。

ただし、「相談したくない」という気持ちだけで、絶対に改善しない職場だと決める必要もありません。

一度、

「自分は、何を見て『どうせ変わらない』と思っているのだろう」

と事実に戻してみてください。

安全や健康に関わる問題は「もう少し続くか」を待たなくていい

ここまで、一回の問題だけで即断せず、継続性や組織の反応も見ると書いてきました。

ただし、何でも様子を見ればいいわけではありません。

様子を見ることを前提にしない場面
  • 利用者さんや職員の安全が明らかに脅かされている。
  • 虐待が疑われる行為や、身体的拘束等に当たる可能性があり、確認が必要なケアがある。
  • 働き続けることで、自分の心身への負担が大きくなっている。

こうした場面では、

「あと何回起きたら辞めよう」

と、職場の修正力を確かめるために回数を重ねる必要はありません。

個別のケアや行為を自分一人で法的に判断する必要はありませんが、少なくとも、

「自分が大げさなのか」を考え続けながら様子を見る段階なのか、それとも安全確保や相談、距離を取ることを優先する段階なのか

は分けて考えてください。

最後は「残る・相談して反応を見る・離れる準備」のどこにいるかを決める

ここまで見てきた5つの観点は、点数をつけて「3個なら退職」と決めるためのものではありません。

最後は、今の職場がどの状態に近いかを考えてみてください。

残る条件がある

問題はあっても、職員の意見を聞き、必要な確認が行われ、修正や共有が動いている。

過去にも、課題が出たときに職場側が対応してきた実績がある。

このような職場なら、一つ問題が起きたからといって、すぐに離れる必要はないかもしれません。

「問題がない職場」ではなく、問題が起きても修正できる職場と考えられます。

まず相談して反応を見る

今の問題について、まだ職場側が把握していない。

これまでの対応を見ても、「どうせ何も変わらない」と決める材料まではない。

そして、安全や健康の面でも、すぐに離れることを優先しなければならない状態ではない。

この場合は、まず問題を伝え、その後の職場の反応を見る選択があります。

誰に何をどう伝えるかについては、「介護職の人間関係を相談するとき|相談相手・伝え方・最初の順番」で整理しています。

離れる準備を考える

注意したいのは、一つの問題だけではなく、

同じ問題が繰り返されている。

長年「昔からこう」で放置されている。

意見を出した人が面倒扱いされる。

必要な確認や改善が行われない。

これまでの対応を見ても、今回だけ変わると期待できる材料がほとんどない。

といった状態です。

ここまでくると、

「自分の伝え方をもっと工夫すれば」

だけで抱え続けるより、職場そのものの修正力にどこまで期待できるかを考える段階です。

すでに相談しても改善が見えない場合は、「介護職が上司に相談しても変わらないときの判断基準」で、その後の選択を整理しています。

人間関係が辞めたい理由の中心なら、「介護職は人間関係だけで辞めてもいい?退職を考える5つの条件」で、施設全体の評価とは分けて考えられます。

そして、今の職場から離れる方向へ判断が進んだら、人間関係のよい介護施設を見分けるには|求人・見学で見る職場の土台で、次の職場を見るポイントを整理しています。

noteで筆者の体験を読む
「まともな職場」を探して転職してきた私が、問題が起きた後を見るようになった話
「まともな職場」を探して転職してきた私が、問題が起きた後を見るようになった話

まとめ|「問題がある職場」より「問題を直せない職場」を見る

辞めたほうがいい介護施設かどうかを、一つの嫌な出来事や「ブラック施設○個の特徴」だけで決めるのは難しいと思います。

見る材料にしたいのは、

安全が軽く扱われていないか。

法令やルールへの疑問を、昔からのやり方だけで終わらせていないか。

働き続けることで健康への負担が大きくなっていないか。

問題を伝えたあと、組織が改善へ動くか。

職員が意見を言えて、必要な教育や情報共有が行われているか。

という5つです。

そして、一回の対応だけではなく、これまで小さな問題へ職場がどう向き合ってきたかも振り返ってみてください。

問題が起きる職場と、問題を放置する職場は同じではありません。

「どこにでも問題はあるから」と全部飲み込むのでもなく、「一つ嫌なことがあったから」と即断するのでもなく、

今の職場には、問題を問題として扱い、修正しようとする条件が残っているか。

まずはそこを一つ確認してみてください。

著者プロフィール
なやま
なやま
介護職約10年|介護福祉士|心理資格3種|複数回の転職を経験 介護現場の人間関係・職場の理不尽・自責や「辞めたい」を、実体験と心理の両面から整理。 自分だけの問題だと抱え込まず、残る・相談する・異動する・転職するなど、次の行動を選ぶための判断材料を発信しています。

介護の仕事で感じたことや、私自身の経験・考え方はnoteでも書いています。

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