介護職が転職すると決めたあと、何から始める?活動前に整理したいこと
「転職しよう」と決めたあと、とりあえず求人を見始める。
条件が良さそうな求人を保存して、気になる施設があれば応募する。
それでも転職活動は進められます。
ただ、今の職場に何かしら変えたい部分があって転職するなら、本格的に求人を比較したり応募したりする前に、一度だけ整理しておきたいことがあります。
それは、次の職場を何を基準に選ぶのかです。
「給料は高い方がいい」
「人間関係がいいところがいい」
「今より働きやすい職場がいい」
こうした希望だけでは、実際に求人を並べたときに判断しにくいことがあります。
転職すると決めたあと、最初から完璧な条件表を作る必要はありません。
まずは今すでに分かっている不満や希望を、
- 次の職場で変えたいもの
- 外せない条件
- 条件によっては調整できるもの
- まだ情報が足りず、確認が必要なもの
この4つに分けてみてください。
ここまで整理できていると、「何となく良さそうな求人」ではなく、自分にとって何が合っている求人なのかを見やすくなります。
転職すると決めたら、まず「求人を見る基準」を作る
転職すると決めても、すぐに応募先まで決める必要はありません。
先に作っておきたいのは、求人を見るための基準です。
たとえば、今の職場について、
「給与がもう少し欲しい」
「通勤がきつい」
「夜勤が多い」
「相談しにくい」
「職員によって言うことが違う」
と感じていたとします。
この段階では、まだ「不満」や「希望」です。
ここから、次の4つへ分けていきます。
| 整理するもの | 考えること |
|---|---|
| 変えたいもの | 今の職場から次へ持ち越したくないこと |
| 外せない条件 | 満たしていなければ候補から外したいこと |
| 調整できる条件 | 他の条件によっては受け入れられること |
| 確認が必要なこと | 今の情報だけでは判断できないこと |
大切なのは、すべてを今ここで決めることではありません。
「これは外せない」
「これは他が良ければ調整できる」
「これは求人情報や職場を見ながら確認したい」
このくらいまで分かれていれば、転職活動を始める準備としては十分です。
今の不満を「求人を見る条件」へ変える
まず整理したいのは、「次の職場では何を変えたいのか」です。
ただし、一から転職理由を掘り下げ直す必要はありません。
すでに、
「ここが嫌だった」
「これはもう繰り返したくない」
「次はこうしたい」
と思っていることがあれば、それを材料にします。
ポイントは、不満のまま終わらせず、次の求人で確認できる形まで一段具体的にすることです。
たとえば、
「給与が低かった」なら、
「次はいくらくらい必要なのか」まで考えてみます。
「通勤がつらかった」なら、
「無理なく続けられる通勤時間はどのくらいか」へ変えます。
「夜勤がきつかった」なら、
「夜勤自体をなくしたいのか」
「回数が減ればいいのか」
「夜勤手当を含めた収入とのバランスで考えるのか」まで分けてみます。
少し難しいのが、人間関係や職場の雰囲気です。
「人間関係がいい職場」を希望しても、そのままでは求人を比較しにくいからです。
たとえば、
「相談できない職場は避けたい」
「職員によって教えることが違う状態は繰り返したくない」
と考えるのであれば、
「相談しやすい体制になっているか」
「教育や情報共有がどうなっているか」
といった、あとから確認する項目へ変えておきます。
この段階で、その職場が本当に人間関係のいい職場なのかまで見抜く必要はありません。
今の職場で嫌だったことを思い出す目的は、もう一度つらかった経験を振り返ることではなく、次の職場を見る基準に変えるためです。
「外せない条件」と「調整できる条件」を分ける
希望を書き出していくと、全部が大切に見えてくることがあります。
給与も大事。
通勤も大事。
勤務時間も大事。
休日も欲しい。
できれば夜勤も少なくしたい。
働き方や施設形態にも希望がある。
もちろん、希望を持つこと自体に問題はありません。
ただ、求人を比較するときは、すべてを同じ重さで並べるより、「外せない」と「調整できる」を分けた方が判断しやすくなります。
外せない条件を考えるときは、
「この条件を満たしていなければ、ほかが良くても働き続けるのは難しいか」
と自分に問いかけてみてください。
たとえば、通勤に長い時間をかけること自体が大きな負担だったなら、
「通勤40分以内」
のように線を引くことができます。
これは外せない条件になり得ます。
一方、
「夜勤は月4回以下が理想だけれど、給与や勤務内容によっては5回でも検討できる」
のであれば、調整できる条件として残せます。
施設形態についても、
「絶対にデイサービスがいい」
なのか、
「デイサービスを第一候補にはするけれど、勤務条件が合えば他の施設も見る」
なのかでは意味が違います。
雇用形態も同じです。
「正社員で働くことは外せない」のか、
「収入や勤務条件が合えば、雇用形態は広く見る」のか。
希望する働き方も、外せないものと調整できるものに分けて考えられます。
外せない条件と調整できる条件に、一般的な正解があるわけではありません。
同じ「給与」でも、生活上どうしても必要な最低額がある人もいれば、通勤時間や勤務負担とのバランスを優先する人もいます。
私自身も、転職を何度か経験する中で、給与や通勤なども含めて総合的に見るようになりました。
最初から自分の条件がすべて分かっていたわけではありません。
職場を経験する中で、
「自分は何を求めているのか」
「どこがクリアされていればいいのか」
という基準の精度が、少しずつ上がってきた感覚があります。
まずは、今の自分にとって外せない線がどこにあるのかを決めておく。
それだけでも求人の見え方は変わります。
入る前に分かることと、まだ確認が必要なことを分ける
もう一つ分けておきたいのが、
今の段階で比較できる条件と、求人を見るだけでは判断しきれない条件です。
たとえば、
- 給与
- 勤務地
- 通勤時間
- 勤務時間
- 夜勤の有無
- 雇用形態
などは、求人情報を見ながら比較しやすい項目です。
一方で、
- 職場の雰囲気
- 実際の残業や休憩の取り方
- 新人教育の進み方
- 困ったときの相談のしやすさ
- 情報共有が実際にどう行われているか
などは、求人情報だけでは分からない部分が残ります。
面接や見学である程度確認できるものもありますが、それでも実際に働き始めてから見えてくることはあります。
私自身も複数の職場を経験して、入る前に分かる情報と、働き始めてから初めて見えてくる職場の環境や実際の運用は別だと感じています。
だからこそ、転職前に全部を見抜こうとする必要はありません。
分からないものを、
「きっと大丈夫」
「たぶん前より良いだろう」
と埋めてしまうのではなく、
「これはまだ分からない。だから確認する」
と残しておくことが大切です。
「分からない」が残っているのは、転職準備が足りないからではありません。
入る前には判断しきれないことがある、と区別できている状態でもあります。
具体的な求人を見始めたあと、職場の教育・相談・情報共有などをどう確認するかは、その段階で考えれば十分です。
具体的な求人・施設を見始めたら、「人間関係のよい介護施設を見分けるには|求人・見学で見る職場の土台」で、求人や見学で確認したいポイントを整理しています。
4つに分けると、求人を見る基準はこうなる
ここまで整理した内容を、一度まとめてみます。
たとえば、今の職場について、
- 給与を上げたい
- 通勤時間を短くしたい
- 夜勤を少し減らしたい
- 教育が人によって違う職場は避けたい
- 相談しづらい環境は繰り返したくない
と感じている人なら、次のように整理できます。
| 今の職場で変えたいこと | 求人を見るときの基準 |
|---|---|
| 給与が低かった | 必要な最低給与を決める → 外せない |
| 通勤が負担だった | ○分以内と決める → 外せない |
| 夜勤が多かった | 希望回数を決めるが、他条件次第 → 調整できる |
| 教える人によって内容が違った | 教育体制を見る → 確認が必要 |
| 相談しづらかった | 相談体制を見る → 確認が必要 |
この程度まで整理できれば十分です。
大量の自己分析をする必要はありません。
求人を見る前に最低限、
何を変えたいのか。
何は外せないのか。
何なら調整できるのか。
何はまだ分からないのか。
この4つを分けておきます。
そうすると、
「条件が良さそうだから」
「なんとなく雰囲気が良さそうだから」
だけで候補を決めるのではなく、
「自分が変えたかった部分はクリアできそうか」
という基準へ戻れるようになります。
ここまで整理できたら、求人を探し始める前の準備はいったん完了です。
最初から完璧な転職先を当てることが目的ではない
転職すると決めたあと、
「今度こそ失敗したくない」
「次は絶対にいい職場を選ばないと」
と思うこともあるかもしれません。
でも、入る前に職場のすべてを把握するのは難しいです。
だから、最初に作った条件を「絶対に変えてはいけない基準」にする必要もありません。
実際に求人を見る中で、
「この条件は少し広げてもよさそう」
「これはやっぱり外したくない」
と分かることもあります。
大切なのは、次の求人を見るときに、自分なりの基準へ戻れる状態を作っておくことです。
条件を整理できたら、次は「その条件に合う求人をどう探すか」を選ぶ段階です。
転職すると決めたら、まずは今の不満や希望を4つに分けて、次の求人を見る基準を作るところから始めてみてください。

