介護職を辞めたいけど、他にできる仕事がないと思ったときの整理
介護職を辞めたいと思っても、
「介護以外に、自分にできる仕事なんてあるのかな」
「ずっと介護をしてきたし、他の仕事でやっていける気がしない」
「未経験で応募して、そもそも採用してもらえるのだろうか」
と考えると、求人を見る前から動けなくなることがあります。
私自身、「介護しかできない」と思っていたわけではありません。
ただ、社会人になってから長く介護関連の仕事をしていたので、介護以外の仕事については、できるのか、続けられるのか、採用してもらえるのかが分からないという不安がありました。
異業種の求人を見ても、仕事内容がいまいち想像できなかったり、知らない用語が並んでいたり、必要なスキルを満たしていなかったりすることもあります。
でも、他の仕事についてまだよく知らないことと、実際にできないことは同じではありません。
この記事では、介護を辞めることも、異業種への転職も勧めません。
「他にできる仕事がない」と決める前に、今の自分が何を感じているのかを一度整理することから始めます。
「介護しかできない」と「他の仕事でやっていけるか分からない」は違う
介護の仕事を長く続けていると、介護現場で働く自分は想像できても、それ以外の仕事をしている自分は想像しにくくなります。
求人を見ても、
- 具体的に何をする仕事なのか分からない
- 求められている経験やスキルを満たしていない
- 未経験で採用されるのか分からない
- 採用されたとしても続けられるか不安
- 給与や働き方が今より悪くならないか心配
といったことが出てきます。
ここには、実際に応募条件を満たしていない場合もあれば、単にその仕事についてまだ知らないだけの場合もあります。
また、仕事内容とは別に、未経験の業界で面接を受けたり、新しい環境へ慣れたりすること自体を負担に感じることもあります。
これらを全部まとめて「自分には無理」としてしまうと、本当に難しいことと、まだ確認していないことの区別がつきません。
まずは、何が分からないから不安なのかを分けてみることが大切です。
まずは「今、自分が何を感じているか」を書き出してみる
いきなり「自分に向いている異業種は何か」を探さなくてもいいと思います。
その前に、今の仕事について感じていることを一度書き出してみてください。
たとえば、
- 介護そのものから離れたいのか
- 今の職場や人間関係から離れたいのか
- 身体的な負担を減らしたいのか
- 収入や勤務時間を変えたいのか
- 現場以外の仕事も経験してみたいのか
- 介護の仕事で好きな部分は残したいのか
- 介護とはまったく違う仕事を試してみたいのか
などです。
全部に答えを出す必要はありません。
「これはもう続けたくない」
「これはできれば残したい」
「少し気になっている仕事がある」
くらいでも構いません。
仕事選びで大切にすることは、人によって違います。
同じ人でも、年齢や生活環境、家族の状況、それまでにしてきた経験によって変わることがあります。
だから、最初から「介護を続けるか、異業種へ行くか」の二択にするより、今の自分が何を変えたくて、何なら残してもいいと思っているのかを見る方が、次の選択肢を探しやすくなります。
もし「介護そのものから離れたいのか、それとも今の職場がつらいのか」がまだ分からない場合は、「『介護が無理』か『今の職場が無理』かを見分ける方法」で、先にその2つを分けて整理できます。
介護経験を「介護しかしていない」でまとめなくてもいい
長く介護で働いていると、自分の経歴を「介護しかしていない」と一括りにしてしまうことがあります。
でも、実際にしてきた仕事を少し分けてみると、それだけでは表せない経験もあります。
私自身、介護の仕事には、接客に近い部分や、相手の様子を見ながら何を必要としているか考え、その人に合わせて対応する場面が多くありました。
仕事への向き合い方など、職種が変わっても共通する部分もあると思います。
もちろん、こうした経験がどの業種でもそのまま評価される、という意味ではありません。
仕事によって求められる経験やスキルは違います。
ここで必要なのは、「自分にはこんな強みがある」ときれいに言語化することではなく、
「自分は介護の中で、実際には何をしてきたのだろう」
と、一つ二つ具体的に思い出してみることです。
「介護しかしていない」という職種名だけで自分の経験をまとめてしまうより、次に調べる仕事との接点を見つけやすくなります。
他の仕事を知らないことと、できないことは別
異業種の求人を見ると、知らない仕事内容や専門用語が出てきて、「これは難しそうだ」と感じることがあります。
私自身も、仕事内容を具体的にイメージできない求人を見ると、それだけで難しそうに感じることがありました。
実際に、必要な経験やスキルを満たしていない求人もあります。
その場合は、無理に「自分にもできる」と考える必要はありません。
興味のある仕事が見つかったら、
「実際には何をするのか」
「どんな経験やスキルが必要なのか」
「未経験でも応募できるのか」
を確認してみます。
本当にやってみたい仕事なら、新しく勉強したり、資格を取ったりする必要が出てくるかもしれません。
一方で、それには時間やお金もかかります。今の生活や環境を考えると、そこまでして目指したい仕事ではないと分かることもあるでしょう。
それも一つの判断です。
大切なのは、必要なものを確認する前から「自分には無理」と確定しないことです。
調べたうえで「今の自分には違う」と外すことと、何も確認せず最初から外すことは少し違います。
一度介護を離れることを、取り返しのつかない決断にしすぎない
私自身、一度介護とは別の仕事に挑戦したことがあります。
長くは続かず、その後いろいろ考えた末に、そのときの自分には続けられる仕事を選んだ方がいいと思い、介護へ戻りました。
介護は仕事内容を知っていて、これまでの経験もあり、収入面でも納得できる仕事でした。それに、介護という仕事そのものが嫌で離れたわけでもありません。
だからといって、別の仕事へ挑戦した経験を無理に「よかったこと」にしようとは思っていません。
ただ、一度別の仕事を経験したことで、その後の仕事に少し活きた部分もありましたし、自分が仕事に何を求めるのかについて見え方が変わった部分もあります。
そして、一度介護を離れて戻った経験があるからこそ、今は「離れる選択肢があるなら、戻る選択肢もある」と感じています。
もちろん、誰でも同じように戻れると言いたいわけではありません。
それでも、一度別の仕事を考えることを「もう介護には戻れない決断」とまで考えなくてもいいのではないかと思います。
本当にやってみたい仕事があるなら、まず調べてみる。
その結果、挑戦することも、今はやめておくこともできます。
今すぐ「続けるか辞めるか」を決めなくてもいい
「他にできる仕事がない」と感じているとき、すぐに転職先を決める必要はありません。
まずは、今の自分が仕事について感じていることを書き出してみてください。
きれいに整理しなくても大丈夫です。
「もう少し体力的な負担を減らしたい」
「介護は嫌いではない」
「収入は下げたくない」
「現場ではない仕事も気になる」
「一度まったく違う仕事を経験してみたい」
そんな断片でも構いません。
書いているうちに、
「介護を続けてもいいけれど、これは外せない」
「今の職場を離れたいだけかもしれない」
「介護以外の仕事も一つくらい調べてみたい」
といったことが見えてくるかもしれません。
そこまで整理できてから、介護業界の中で別の働き方を探すのか、介護以外の仕事も調べるのかを考えればいいと思います。
「他にできる仕事がない」と決める前に、まず今の自分が何を感じているのかを書き出してみる。
まずは、そこを最初の一歩にしてみてください。
書き出したあと、次にどうするか迷った方へ
今の仕事について書き出してみると、
「介護は嫌いではない」
「今の職場は変えたい」
「介護以外の仕事も少し気になる」
と、いくつかの気持ちが同時に出てくることがあります。
そこで、今の職場に残る・今の組織内で環境を変える・介護職のまま職場を変える・介護以外の選択肢も調べる、という方向を一度並べて考えられるよう、4つのワークをnoteにまとめました。
今つらいことや残したいことを整理しながら、今の第一候補を考え、最後に次の14日で何をしてみるか、いつ見直すかまで書き出します。
「介護を辞めるか」を今すぐ決めるのではなく、選択肢を閉じずに次の一歩を決めたい方に向けた内容です。
