介護職の転職先が決まったら何をする?退職から入職までの進め方
介護職の転職先が決まったものの、
「今の職場には、いつ退職を伝えればいい?」
「入職までに、どんな書類を用意すればいいんだろう?」
と迷うこともあると思います。
内定後は、労働条件を確かめる → 退職日と入職日を調整する → 退職の準備をする → 入職前の準備をする、という流れで進めます。
ただし、内定にまだ返事をしていない人と、退職日まで決まっている人では、次にすることが違います。
この記事では、今の段階ごとに、確認する相手や書類、介護職ならではの準備を順に説明します。
転職先が決まったら、今どこまで進んでいるかを確かめる

最初に、次の表で今の段階を探してみてください。
| 今の状況 | 次にすること・確認先 |
|---|---|
| 内定の連絡が来たが、まだ承諾していない | 労働条件と返事の期限を、採用担当者に確かめる |
| 内定を承諾した・現在も働いている | 入職時期を転職先へ確認し、現職へ退職を申し出る |
| 退職日が決まった | 現職の管理者へ、引き継ぎ・返却物・書類を確認する |
| 退職済みで、入職を待っている | 保険・年金の切り替えが必要か確認し、入職準備へ進む |
| 入職日が近い | 転職先へ、提出物・初日の集合時間・勤務予定を確かめる |
すでに退職している人は、退職の申し出や引き継ぎの説明を飛ばして大丈夫です。
ただし、退職時に受け取る書類の表は、必要なものを受け取れているかの見直しに使えます。内定を承諾済みでも、勤務条件で分からない点があれば、次の章で確かめられます。
私自身、転職を何度か経験しているので、流れはなんとなく分かります。ただ、転職経験が少ないと、どこへ何を確認すればいいかで戸惑うこともあると思います。
順番をすべて覚えるより、今の段階で何を聞けばよいかが分かれば、準備は進めやすくなります。
内定を承諾する前に、給与や働き方の条件を確かめる
内定の連絡を受けたら、返事をする前に、求人票、面接で聞いた説明、実際に提示された条件を見比べます。
口頭で聞いた内容と書類に違いがあれば、そのままにせず確かめましょう。
介護職ならではの確認点
- 給与の内訳:基本給、資格手当、処遇改善に関する手当、夜勤手当、固定残業代などが、どう含まれているか
- シフト:早番・日勤・遅番・夜勤それぞれの勤務時間、休憩、休日の取り方
- 夜勤:夜勤の有無、想定回数、開始時期、1回あたりの手当、慣れるまでの勤務予定
- 業務内容:介護業務の範囲、記録・事務業務との兼務、配属先
- 勤務地:最初に働く事業所と、今後変更される可能性のある範囲
- 入職日と試用期間:勤務開始日、試用期間中に給与や勤務条件の違いがあるか
例えば、「月給28万円」と書かれていても、夜勤4回分の手当を含む金額なら、夜勤に入る前の月は同じ金額にならない可能性があります。月給の総額だけでなく、何が含まれているかを聞いておきたいところです。
訪問介護などでは、移動時間や直行直帰の扱いも、仕事内容に応じて確認しておくとよい項目です。
法律で明示が求められる労働条件と、働くうえで追加で聞いておきたいことは別です。労働契約を結ぶときは、賃金や労働時間のほか、就業場所や業務が変更される範囲なども明示の対象になります。雇用形態によっては、追加で明示される事項もあります。
参考:厚生労働省|2024年4月から労働条件明示のルールが変わります
分からない条件は、採用担当者に聞いてよい
例えば、次のように聞けます。
内定のご連絡ありがとうございます。提示いただいた勤務条件について、夜勤に入る時期と、月給に含まれる夜勤手当の金額を確認させていただけますでしょうか。
聞く相手は、採用担当者、人事担当者、採用窓口になっている施設管理者などです。転職エージェントを利用した場合は、担当者経由で問い合わせる方法もあります。
返事の期限も忘れずに確かめ、条件の確認が期限に間に合いそうにないときは、早めに相談しましょう。承諾後に食い違いに気づいた場合も、採用側へ確認してください。
在職中なら、退職日と入職日を調整する
現在も勤務している場合は、転職先が希望する入職時期と、今の職場をいつ退職できるかをすり合わせます。
退職日・最終出勤日・入職日は別の日になることがある

- 最終出勤日:今の職場で最後に実際に勤務する日
- 退職日:今の職場との雇用関係が終わる日
- 入職日:転職先との雇用契約が始まる日(初めて出勤する日とは異なる場合もある)
例えば、最後に出勤した後、残っている有給休暇を取得してから退職する場合は、最終出勤日と退職日が違います。残りの有給休暇や引き継ぎの予定を確かめ、日程を相談しましょう。
退職を申し出る時期は、契約の種類で違う
退職までの期間は、「1か月前」「2週間前」のように、全員へ一律には当てはめられません。
期間の定めのない雇用契約(無期雇用)では、法律上、原則として退職の申し入れから2週間で契約を終了できます。就業規則に退職手続きの定めがある場合は、その内容も確かめてください。ただし、就業規則によって法律上の退職時期を一律に延ばせるわけではありません。
契約期間が決まっている有期雇用では、期間途中での退職には別のルールがあります。契約期間や事情によって扱いが異なるため、契約書を確かめたうえで相談します。派遣で働いている場合は、雇用主である派遣元の担当者が、通常、最初の相談先です。
日程調整は、双方に状況を伝えながら進める
- 転職先に、希望する入職日と、日程調整が可能かを確認する
- 現職の就業規則・契約書と有給休暇の残りを見たうえで、退職の意思と希望日を伝える。
- 現職での退職日と最終出勤日の見通しが立ったら、転職先と入職日を決める。
現職へ申し出る前に、転職先の希望日が「必ずその日から」なのか「相談可能」なのかを知っておくと、調整しやすくなります。退職日がまだ決まっていなければ、「現職と調整中」と伝え、確定していない日付を約束しないようにしましょう。
介護現場では、翌月のシフトがすでに組まれていたり、夜勤の配置調整が必要だったりすることもあります。ただし、職場の人手不足と、働く人が法律・契約上いつ退職できるかは別の問題です。人員の確保まで一人で背負う必要はありません。
退職日までに、引き継ぎ・返却物・書類を確認する
退職日が決まったら、現職の管理者や事務担当者に、何をいつまでに済ませるかを聞いておきます。
介護の仕事で引き継いでおきたいこと
- 担当している係・委員会や、継続中の仕事
- 発注・物品管理・記録管理など、担当が決まっている業務
- まだ終わっていない連絡・報告・事務作業
- 管理者から指定された引き継ぎ事項
利用者の状態やケアの情報は、事業所の記録・申し送りのルールに沿って共有します。個人情報を含む記録を私物のスマートフォンに保存したり、持ち帰ったりはしないでください。
引き継ぎ先と期限は、管理者と決めます。自分の担当を引き継ぐことと、退職後のシフトや採用まで責任を持つことは別です。
返却するもの
制服・名札、職員証、鍵、入館カード、業務用端末、貸与された資料などは、職場の案内に合わせて返却します。制服のクリーニングや返却時期に指定がないかも確かめましょう。
受け取る書類は、用途と時期を確かめる
| 書類など | 使う場面・確認すること |
|---|---|
| 給与所得の源泉徴収票 | その年の給与・所得税の記録。転職先の年末調整などで使用する |
| 雇用保険被保険者証・被保険者番号 | 転職先の雇用保険手続きで確認を求められることがある |
| 離職票 | 主に雇用保険の基本手当(失業給付)を申請する場合に使用する |
| 健康保険資格喪失証明書など | 国民健康保険への切り替えなどで必要になる場合がある |
全員がすべての書類を受け取り、転職先へ提出するわけではありません。 特に離職票は、転職先へ必ず提出するものではありません。自分の場合に必要かどうかは、退職先や転職先に聞いて確かめましょう。
給与所得の源泉徴収票は、年の途中で退職した場合、退職後1か月以内に交付する決まりです。退職当日に必ず受け取れるわけではないので、転職先への提出期限に間に合わない場合は、双方の担当者に状況を伝えておくとよいでしょう。
介護福祉士の資格を持つ人には、離職時に都道府県福祉人材センターへ情報を届け出る制度もあります。これは努力義務で、転職先が決まっていても対象です。届出をしなくても罰則はありませんが、対象になる人は公式案内も確認しておきましょう。
退職から入職まで間が空くなら、健康保険と年金を確かめる
退職日の翌日から新しい職場で健康保険・厚生年金に加入するとは限りません。入職までの間が短くても、手続きが必要かどうかは確認しておきましょう。

数日しか空かなくても、保険や年金って確認した方がいい?
健康保険の加入先
今の勤務先の健康保険を抜けた後は、状況に応じて主に次の選択肢があります。
- 国民健康保険:住所のある市区町村で手続きする。加入する場合は、原則として加入資格が生じた日から14日以内に届け出る
- 任意継続:退職前の健康保険を、条件を満たして継続する
- 家族の健康保険の扶養:扶養の条件を満たす場合、家族の勤務先を通じて手続きする
任意継続には加入期間などの条件があり、協会けんぽの場合、原則として退職日の翌日から20日以内に申請する必要があります。加入していた健康保険によって確認先が違うため、退職前に加入していた健康保険の窓口や市区町村へ、早めに問い合わせてください。
参考:厚生労働省|国民健康保険の加入資格
参考:さいたま市|国民健康保険の加入手続きについて(届出期限の自治体案内例)
国民年金の手続き
20歳以上60歳未満の人が、厚生年金に加入していた会社を退職し、次の入職まで間が空く場合は、原則として国民年金への切り替えが必要です。国民年金への切り替え(第1号被保険者になる手続き)は、退職日の翌日から14日以内が提出期限とされています。
配偶者の扶養に入って第3号被保険者になる場合は、手続き先が異なります。該当するか分からなければ、市区町村の年金担当窓口や年金事務所、配偶者の勤務先に確認してください。
入職前に、資格証明・研修・初日の予定を確認する

退職の準備と並行して、転職先から求められた書類や予定を確かめておきます。必要なものは事業所・職種・雇用形態によって異なるので、採用担当者の案内を基本にしましょう。
資格の証明と提出書類
介護職では、担当する業務に応じて、資格や研修修了の証明を求められる場合があります。例えば、次のようなものです。
- 介護福祉士登録証
- 初任者研修・実務者研修の修了証明書
- 担当業務に応じて必要なその他の資格・研修の証明
原本を見せるのか、コピーを出すのか、データでよいのかも確認しましょう。介護福祉士登録証を紛失した場合は、社会福祉振興・試験センターで再交付の方法を確認できます。
ほかにも、給与振込先、マイナンバーに関する書類、扶養関係の書類などを案内される場合があります。提出期限に間に合わないものがあれば、採用担当者に早めに相談してください。
健康診断・研修は、時期と負担を確認する
常時使用する労働者を雇い入れる際には、法律上、雇入時の健康診断が定められています。
ただし、対象となる条件や、直近に受けた健康診断結果を利用できるかなどによって扱いが違います。自分でいつ受診するか決める前に、勤務先の案内を確認しましょう。
職場によっては、入職前後に説明や研修が予定されています。
訪問介護・重度訪問介護など、担当する業務に資格や研修が関係する場合は、受講が必要か、いつ受けるかを聞いておきましょう。研修に費用がかかるときは、誰が負担するか、研修の時間が勤務時間として扱われるかを確認してください。業務上、会社から参加を義務づけられる研修は、原則として労働時間に当たります。
初日は何時に、どこへ行けばよい?
入職日が近づいたら、次の項目を確認します。
- 集合する事業所・場所と時刻
- 初日の勤務時間と休憩の予定
- 制服・靴・筆記用具など、指定された持ち物
- 当日持参する書類と、事前に提出する書類
- 最初に声をかける担当者
- オリエンテーションや研修、最初のシフトの予定
介護の職場では早番・遅番・夜勤などで勤務時間が分かれているため、入職日だけ決まっていて初回の集合時間が不明なら、そのままにせず連絡しましょう。
介護経験があっても、新しい職場の記録方法や業務の進め方までは分かりません。初日までに準備することと、勤務を始めてから説明を受けることは分けて考えておけば十分です。
最後に、今の段階で確認することを一つ決める
今の状況に合わせて、次の項目を見てみてください。
- 内定の回答期限と労働条件を確かめた
- 給与の内訳・シフト・夜勤などに、不明な条件が残っていない
- 在職中なら、退職の申し出と日程調整を進めている
- 退職日・最終出勤日・入職日の見通しが立っている
- 引き継ぎ・返却物と担当者を確認した
- 退職時の書類は、必要性と受け取り時期を確かめた
- 退職後の健康保険・年金の手続きが必要か確かめた
- 転職先の提出物・健康診断・研修を確認した
- 初日の集合時間・場所・持ち物が分かっている
当てはまらない項目は飛ばして大丈夫です。
チェックが付いていないものの中から、今の段階で先に確認したいことを一つ選びます。
内定への返事がまだなら、給与や夜勤などの勤務条件。退職日が決まっているなら、必要な書類がいつ発行されるか。入職日が近いなら、初日の集合場所や時間です。
転職先が決まった後は、確認することが一気に増えます。全部を同時に片づけようとせず、今の段階で必要なことを一つ確認してから、次へ進めば大丈夫です。
