介護職の退職の伝え方|誰にどう切り出す?引き止めへの返答例
介護職を辞めると決めても、「最初に誰へ話せばいい?」「引き止められたら、どう返そう」と考えると、なかなか切り出せないことがあります。
私も初めて転職したときは緊張しました。何から進めればよいのか分からないことも、不安につながっていたと思います。
退職を伝える前に用意しておきたいのは、伝える相手、退職する意思、希望する退職日、職場と調整したいことです。
引き止められたときも、退職するかどうかの話と、日程や引き継ぎの話を分けると、返答を考えやすくなります。
この記事では、切り出す言葉から、話が進まない場合の確認先までを紹介します。次の仕事が決まっていない人や、介護以外へ進む人にも役立つ内容です。
介護職の退職は誰に伝える?
通常は、直属の上司や退職手続きを担当する管理者へ伝えます。
ただし、介護施設や事業所では、リーダー、主任、管理者、施設長、本部の人事担当など、役職と窓口が一致しないこともあります。
まず就業規則や入職時の案内を見て、退職の申し出先を確かめましょう。分からなければ、人事・総務担当などに「退職の申し出は、どなたにすればよいでしょうか」と聞く方法もあります。
派遣で働いている場合は、雇用契約を結んでいる派遣元の担当者に退職の意思を伝えるのが基本です。
派遣先の施設に、いつ誰から伝えるかも派遣元と確認しておきましょう。派遣先のリーダーへ話しただけで、派遣元への申し出が済んだと考えないようにしましょう。
退職を伝える前に決めておきたいこと

話す内容は、次の三つに分けると簡潔になります。
- 退職の意思:退職すると決めていること。
- 希望する退職日:何月何日を希望するのか。まだ決められない場合は、何を確認すれば日付を決められるのか。
- 調整したいこと:最終出勤日、有給休暇、シフト、担当業務の引き継ぎなど。
退職の意思が決まっているなら、「辞めようか迷っているのですが」と切り出さず、退職することと、日程などの相談を分けて伝えます。
申し出る時期は契約書と就業規則を確認する
退職を何日前に伝えるかは、全員同じではありません。
期間の定めがない雇用契約(無期契約)では、法律上、原則として退職の申し出から2週間で契約を終了できます。
就業規則に「1か月前まで」などの手続きが書かれている場合も、その内容は確認しておきましょう。
ただし、就業規則の記載だけで、法律上の退職時期を一律に延ばせるわけではありません。
一方、契約社員などで契約期間が決まっている場合(有期契約)は、期間途中での退職に別の条件があります。
やむを得ない事情がある場合などの例外もあるため、「2週間前に伝えれば必ず辞められる」とは考えず、契約期間と事情を確かめてください。
退職日と最終出勤日が違う場合もあります。希望する退職日と、まだ調整が必要なことは分けて考えておくと、話しやすくなります。
退職の切り出し方と理由の伝え方【例文】
まずは落ち着いて話せる時間をもらう
利用者さんの対応中や申し送りの最中は避け、周囲に話が聞こえにくい場所で、少し時間を取ってもらいましょう。
時間をもらう言い方
今後の勤務についてお伝えしたいことがあります。少しお時間をいただけますか。
その場で退職理由を話し始めなくても大丈夫です。日時を決めて話す方が、落ち着いて伝えやすい場合もあります。
退職の意思と希望日を短く伝える
退職を伝える言い方
退職することに決めました。
〇月〇日での退職を希望しています。最終出勤日や引き継ぎについて、ご相談させてください。
希望日をすぐに決められないときは、日付を適当に約束せず、先に契約条件などを確かめてから、希望日を改めて伝えましょう。
退職の意思が固まっているなら、「退職すること」と「日程などの調整」を分けて話すと伝わりやすくなります。
「退職について相談したいです」だけでは、退職する意思がはっきり伝わらないことがあります。
退職理由を詳しく聞かれたら
退職理由は、自分の気持ちや出来事をすべて話さなくても構いません。
かといって、実際にはない家庭事情や転職先を作ってまで説明する必要もありません。
例えば、自分の考えとして事実に合うなら、
今後の働き方を考えた結果、退職することにしました。
と伝える方法があります。詳しく話したくない事情については、
詳しい理由については、説明を控えさせてください。退職の意思は変わりません。
と答えることもできます。
労働条件や職場で起きた問題を伝えたい場合は、事実をそのまま話しても構いません。
ただ、相手が納得するまで事情を説明し続けることと、退職の意思を伝えることは別です。
引き止められたときはどう返す?

私も引き止められた経験はあります。退職する決心がついていれば、そこで気持ちは揺らぎにくいのではないかと思っています。
転職の経験を重ねたことも、関係しているのかもしれません。
ただし、言い返す強さや経験がなければ退職できない、ということではありません。
相手が何を求めているのかを聞き、退職の意思を変える話なのか、日程や引き継ぎの調整なのかを確かめます。
「人が足りない」「後任が決まるまで待って」と言われたら
人手が足りないことは承知しています。
ただ、退職の意思は変わりません。希望日までに、どの業務を引き継ぐか相談させてください。
職場の都合を聞くことと、後任の採用まで自分が責任を負うことは別です。
相手が求めているのは引き継ぎ期間の調整なのか、退職日を決めずに待つことなのかを、分けて確かめます。
「給与を上げる」「勤務を変える」と提案されたら
ご提案ありがとうございます。
ただ、今回は退職する考えに変わりはありません。今後の手続きについて教えていただけますか。
条件しだいで考え直したい人は、その場で返事をせず、何がいつから変わるのかを確認してから判断してもよいと思います。
すでに退職の意思が固まっているなら、提案ごとに断る理由を増やさず、意思をもう一度伝えれば足ります。
「その話はまた今度」と先延ばしにされたら
〇月〇日の退職を希望していることは、先日お伝えしました。
手続きの担当の方と、次に確認できる日を教えていただけますか。
忙しさで日程が後ろにずれることと、返事の期限が決まらないまま話が止まっていることは違います。
改めて話す日や担当者が決まるかを確かめ、それでも進まない場合は、次の項目の対応を考えます。
引き止められたときに、必ず感謝を述べたり、何度も謝ったりしなければならないわけではありません。
丁寧に伝えつつ、退職の意思まで曖昧にしないことが大切だと思います。
退職を伝えても話が進まないときの対応
口頭だけで進まないなら、内容を残しておく
話した後に、次のことをメモしておきます。
- いつ、誰に伝えたか
- 退職の意思と希望日をどう伝えたか
- 相手から何と言われ、何が決まったか
- 次に誰へ、いつ確認することになったか
口頭で申し出ても話が進まない場合は、就業規則で定められた手続きを確認しながら、メールや書面でも退職の意思と希望日を伝える方法があります。
宛先と、相手に届いたことが分かる記録を残しておきましょう。
退職の意思表示には、会社との合意を求めるものと、退職する意思を一方的に伝えるものがあり、書類の名前だけで法的な効力が決まるわけではありません。
いつ退職できるかなどで争いになった場合は、個別の確認が必要です。
参考:厚生労働省|退職、解雇、雇止めなど
参考:厚生労働省|退職願の撤回に関するQ&A
同じ人と話し続けず、別の確認先へ移る
上司が申し出を取り合わない、返答を引き延ばす、退職を理由に威圧するような場合は、人事・総務担当や上位の管理者など、社内の別の窓口へ連絡する方法があります。
外部の確認先も、困りごとによって違います。
- 総合労働相談コーナー:退職をめぐるトラブルやハラスメントなど、労働問題を広く相談できる窓口。必要に応じて他の担当機関や紛争解決制度の案内を受けられます。
- 労働基準監督署:賃金の未払いなど、労働基準関係法令の違反が疑われる問題を相談・申告する先です。退職時のあらゆる対立を代わりに解決する窓口ではありません。
- 弁護士などの法律専門家:退職日や意思表示の効力が争われる、損害賠償を求められたなど、個別の法的判断が必要な場合の相談先です。
伝える内容を短いメモにまとめておく
退職を切り出す前なら、次の形でメモを作っておくと、話すときに確認しやすくなります。
- 伝える相手:____
- 退職する意思:退職することを決めている
- 希望する退職日:__年__月__日
- 調整したいこと:最終出勤日、シフト、引き継ぎなど___
- 返答がなかった場合の次の確認先:____
すでに申し出ている人は、今の担当者から返答があるか、次に確認する先が決まっているかを見直してみてください。
退職を伝えるのは緊張する場面ですし、言葉を準備したからといって必ず円満に進むとは限りません。
それでも、何を伝えるかと、何を調整するかを分けておけば、相手の反応だけで話の目的を見失いにくくなります。
転職先が決まっていて、申し出た後の引き継ぎや書類、退職日から入職日までの準備を知りたい人は、介護職の転職先が決まったら何をする?退職から入職までの進め方も参考にしてください。
転職先がまだ決まっていない人は、まず今の雇用契約と退職手続きの確認から進めれば大丈夫です。
