介護職で体調不良なのに休めないとき|人手不足への罪悪感と休む判断を整理する

なやま

朝から体調が悪い。

本当は休んだほうがいい気もするけれど、今日のシフトを見ると人が少ない。

「自分が休んだら、ほかの職員に負担がかかる」

「利用者さんにも迷惑をかけるかもしれない」

「また休んだと思われたらどうしよう」

そんなことを考えているうちに、自分の体調よりも、周りのことばかり気になってしまうことがあります。介護現場では、自分が一人抜けたときの大変さを知っているからこそ、休むことに罪悪感を持つこともあると思います。

ただ、休むかどうかを判断するときに、最初に見るのは「今日の現場が回るか」ではなく、「今の自分が勤務できる状態か」です。

周りへの申し訳なさを完全になくす必要はありません。大切なのは、その気持ちと「今日の自分が勤務できる状態か」を分けて考えることです。

この記事では、休むか迷ったときに考えたいことを、次の4つに分けて整理します。

この記事のポイント
  • 自分の状態と人手不足をどう分けるか
  • 「この程度で休んでいいのか」と迷ったときに何を見るか
  • 休むと決めたら、自分はどこまで対応すればよいか
  • 不調が繰り返しているときに、次に何を考えるか

人手不足でも、休むかどうかはまず自分の状態から考える

人手が足りない日に休めば、残った職員の負担が増えることはあります。だから、「周りのことなんて考えなくていい」という話ではありません。

ただ、

「人がいないから出勤する」
「みんな大変だから、このくらいなら我慢する」

と人手不足を先に置くと、自分の状態を確認しないまま出勤してしまうことがあります。

まず「今日の自分は、いつもの介護業務を行える状態なのか」を確認する。移乗や見守りなどの身体介助だけでなく、記録や申し送りなど、介護には集中や判断が必要な仕事もあります。

「少しでもつらければ必ず休む」という意味ではありません。人手不足を結論にしてから体調を見るのではなく、自分の状態を確認してから今日の勤務を判断することが大切です。

「休んだら迷惑」と自分の体調が混ざると判断しづらくなる

休めないと感じる理由は、体調だけの問題ではありません。いくつかの不安が重なっていることがあります。

同僚へ負担をかけるのが申し訳ない

自分が休めば、その日の業務を誰かが引き受けるかもしれません。急な勤務変更が必要になることもあります。

普段から人手が足りない現場ほど、その大変さを知っているため、

「自分だけ休んでいいのだろうか」

と思いやすくなります。その申し訳なさ自体を、無理に消す必要はないと思います。

ただ、同僚へ申し訳ないと感じることと、自分が勤務できる状態かどうかは別です。

休んだことで、周りにどう思われるかが気になる

「甘えていると思われないか」
「また休んでいると思われないか」

こうした周囲からの評価も、休む判断を難しくします。

私自身も、体調不良で休むときは「どう思われるだろう」と気にしていました。実際には、事前に心配していたほど強く責められたわけではありません。それでも、気になるものは気になります。

ただ、周囲からどう評価されるかと、今の自分が働ける状態かは別の判断です。

「この程度で休んでいいのか」と自分でも迷う

体調のつらさには、誰から見ても分かりやすいものだけではなく、自分にしか気づきにくい変化もあります。

そのため、

「もっと大変な人もいる」

「普通ならこれくらいで休まないのでは」

と、自分の状態より「普通」を基準にしてしまうことがあります。でも、「普通ならどうするか」だけでは、今日の自分の状態は分かりません。周囲には見えない部分も含めて、今の自分を一番近くで確認できるのは自分です。

まずは他人との比較ではなく、

自分は今日、いつものように仕事ができる状態なのか

というところから考えてみてください。

今日休むか迷ったら、自分の状態を3つに分けて確認する

「休みたい気はする。でも本当に休むほどなのか分からない」

そんなときは、人手不足をいったん横に置いて、次の3つを確認します。

1.通常どおり仕事を続けられそうか

まず、自分が一日の勤務を続けられそうかを考えます。「職場へ行けるか」だけではなく、

  • 勤務時間を通して動けそうか
  • 必要な報告や申し送りができそうか
  • 利用者対応をいつものように行えそうか

まで含めて考えます。

「とりあえず職場へ行けば何とかなる」と考えることもありますが、出勤したあとに状態が悪化すれば、途中で勤務を続けられなくなることもあります。今の状態を小さく見積もらず、一日の勤務として考えてみることが大切です。

2.集中や判断、安全に影響しそうではないか

介護の仕事では、自分だけではなく利用者の安全にも関わります。集中しづらい、判断することがいつもより難しいなど、自分で気になる変化があるなら、

「人がいないから行かなければ」

だけで決めず、安全に業務を行える状態なのかも確認してください。

記事上で「この症状なら休むべき」と一律に決めることはできません。強い不調がある場合や、自分では判断できない状態が続いている場合は、医療機関など専門家への相談も選択肢になります。

3.無理をして乗り切ることが繰り返していないか

一日だけ調子を崩した場合と、

「何度も体調を崩している」

「勤務前になると毎回かなりつらくなる」

「休んでも少しすると同じ状態へ戻る」

という場合では、その後に考えることが変わります。

まず今日を休むかどうかと、「今の働き方をこのまま続けるのか」は、同時に決めなくても構いません。今日は今日の状態で判断し、繰り返しているなら、落ち着いたあとに受診や職場への相談、働き方そのものの見直しを別に考える。

この2つを分けると、「休んだらそのまま辞めることになりそう」という不安も少し整理しやすくなります。

休むと決めたら、自分がすることと職場がすることを分ける

休むことを選んだからといって、その後のことを何も考えなくてよいわけではありません。
ただ、休む本人が対応することと、その日の人員や業務を職場が調整することは別です。

まず、それぞれの範囲を分けると次のようになります。

本人ができること職場側が調整すること
決められた方法・時間に沿って連絡する誰をどこへ配置するか
出勤が難しい状態であることを簡潔に伝えるどの業務を優先するか
必要な引き継ぎ事項を伝える必要に応じて代替勤務を調整する
必要な範囲で今後の見通しを共有するその日の利用者対応をどう組み直すか

本人ができること

本人側で大切なのは、職場のルールに沿って必要な連絡をすることです。

連絡するときも、長く自分を正当化する必要はありません。出勤が難しいことと、必要な引き継ぎがあればその内容を簡潔に伝えます。

欠勤連絡の例

「体調不良で、本日の勤務が難しい状態です。申し訳ありませんが、お休みをお願いします。引き継ぎが必要なことは〇〇です」

職場ごとに欠勤連絡の方法や必要な確認事項は異なるため、勤務先のルールも確認してください。

職場側が調整すること

一人休めば、その日の配置や業務内容を変更する必要が出ることはあります。

ただ、誰をどこへ配置するのか、どの業務を優先するのか、必要に応じて代替勤務を依頼するのかといったことは、職場の運営・管理として調整する領域です。

本人が、

「私が休んだら今日の勤務が成立しない」

と、配置全体まで一人で背負う必要はありません。

ここで分けたいのは、

必要な連絡をする責任と、人手不足そのものを一人で埋める責任は同じではない

ということです。協力できるときに協力することと、自分の状態を無視して欠員を埋め続けることも同じではありません。

休んだ日の扱いについて

休んだ日の扱いが年次有給休暇・欠勤・職場独自の病気休暇などのどれになるかは、勤務先の制度によって異なります。

年次有給休暇は法律上の制度ですが、取得時季には一定のルールがあります。また、病気休暇などの特別休暇は、企業が任意に設ける制度です。詳しい扱いは、勤務先の就業規則などを確認してください。

今日休むことと、これから働き続けるかは分けて考える

一日休むと、

「もうこの仕事を続けられないのでは」

「休みがちなら辞めたほうがいいのでは」

と、その先のことまで一気に考えてしまうことがあります。

でも、今日の勤務を休む判断と、今の職場で働き続ける判断は別です。

一日休んで回復し、その後は問題なく働けるのであれば、まず今日の判断だけで終えてもよいかもしれません。

一方で、

  • 不調を繰り返している
  • 休んでも職場へ戻るとまた状態が悪くなる
  • 人手不足や勤務環境への負担が続いている
  • 職場へ相談しても状況が変わらない

といったことが続くなら、「休むかどうか」だけでは解決しない段階に入っている可能性があります。

そのときは、介護そのものがつらいのか、今の職場や現在の働き方がつらいのかを分けてみると、次の選択を考えやすくなります。

「『介護が無理』か『今の職場が無理』かを見分ける方法」では、介護そのもの・今の職場・現在の自分の状態を分けながら整理しています。

休んだ後は、自分だけでなく職場の反応も確認する

休んだことへの罪悪感が強いと、

「迷惑をかけた自分が悪い」

というところだけを見てしまうことがあります。

ただ、休んだ後は職場側の対応も見てください。たとえば、

  • 必要な体調確認や業務調整が行われたか
  • 休んだことを繰り返し責めるような対応がなかったか
  • 不調が続く場合に相談できる雰囲気があるか
  • 慢性的な人手不足を、一人ひとりの我慢だけで埋めようとしていないか

といった点です。

もちろん、一度忙しそうな反応をされたからといって、それだけで「悪い職場」と決める必要はありません。急な欠勤で、現場が慌ただしくなることもあります。

見るのは、問題が起きたあとに職場がどう調整し、同じことが続く場合にどう向き合うかです。自分が休んだことだけではなく、その後の組織の反応も、今の職場で働き続けられるかを考える材料になります。

「申し訳ない」と思っていても、自分の状態を後回しにしなくていい

人手不足の職場で休めば、

「申し訳ない」

「どう思われるだろう」

という気持ちが残ることはあります。その気持ちをゼロにしてから休む必要はありません。

休むか迷ったときは、

  1. 人手不足をいったん横に置く
  2. 今日の自分が勤務できる状態かを確認する
  3. 休むなら必要な連絡をする
  4. 人員・業務の調整は職場側の領域と分ける
  5. 不調が繰り返すなら、今日とは別に今後の働き方を考える

という順番で整理してみてください。

周囲がどう思うかも、「普通ならどうするか」も、完全には頭から消せないと思います。

それでも、自分の身体や心の状態を確認せず、周囲の評価だけで出勤を決める必要はありません。

まず今日の自分の状態を確認し、そのうえで勤務するか休むかを選ぶ。もし不調が繰り返しているなら、その後で今の職場や働き方を続けるかを別に考えていけばよいと思います。

不調が続き、「今日休むか」ではなく「今の職場や働き方をこのまま続けてよいのか」まで迷っている場合は、次の記事で、介護そのもの・今の職場・現在の自分の状態を分けて整理できます。

介護職を辞めたいとき|「介護が無理」か「今の職場が無理」かを見分ける方法
介護職を辞めたいとき|「介護が無理」か「今の職場が無理」かを見分ける方法

著者プロフィール
なやま
なやま
介護職約10年|介護福祉士|心理資格3種|複数回の転職を経験 介護現場の人間関係・職場の理不尽・自責や「辞めたい」を、実体験と心理の両面から整理。 自分だけの問題だと抱え込まず、残る・相談する・異動する・転職するなど、次の行動を選ぶための判断材料を発信しています。

介護の仕事で感じたことや、私自身の経験・考え方はnoteでも書いています。

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