介護職のシフトが不公平だと感じたとき|夜勤・遅番・希望休の偏りを相談前に整理する方法

なやま

翌月のシフト表を見て、

「また自分だけ遅番が多い気がする」

「夜勤を希望しているのに、今月も入っていない」

「希望休が通る人と通らない人が決まっているように見える」

そんな違和感を持つことがあります。

ただ、そう感じても、

「他の職員には家庭や健康上の事情があるのかもしれない」

「人手不足だから仕方ないのかもしれない」

「こんなことで不満を言うのは、わがままなのではないか」

と考えると、相談してよいのか迷いやすいところです。

シフトに違いがあること自体が、すぐに不公平というわけではありません。職員ごとに雇用条件や担当業務、資格、健康上の配慮などが異なれば、勤務の配分が変わることはあります。

一方で、違いがあるからといって、何も確認せずに受け入れ続ける必要もありません。

大切なのは、その感情だけで結論を出すのではなく、実際のシフト、自分が伝えた希望、勤務条件、職場からの説明、自分への影響を分けて考えることです。

この記事では、シフトへの違和感を職場へ相談する前に、何を整理すればよいのかを順番に見ていきます。

シフトが違うことと、不公平であることは同じではない

介護現場では、全員がまったく同じ勤務回数になるとは限りません。

たとえば、

  • 夜勤に入れる職員と入れない職員がいる
  • 特定の業務を担当するため勤務時間帯が違う
  • 雇用契約によって対応できる勤務が違う
  • 健康上の事情などから一定の配慮が行われている

といったことは考えられます。

だからといって、「事情があるかもしれないから自分は何も言えない」と考える必要もありません。

他の職員がどんな事情を抱えているかを推測するより、まず把握したいのは自分の勤務がどうなっているかです。

見るポイント
  • どの勤務が偏っているのか
  • どのくらい続いているのか
  • 自分が伝えていた希望と違いがあるのか
  • 採用時やこれまでに聞いていた条件と違うのか
  • 職場から理由を説明されているのか
  • 生活・収入・健康・担当業務へどんな影響があるのか

「みんなと同じか」だけではなく、こうした条件を合わせて見たほうが、自分が何に違和感を持っているのかが分かりやすくなります。

まずは直近のシフトを並べて「何が偏っているのか」を確認する

シフトに不満を感じたときは、記憶だけで考え続けるより、実際の勤務表を見返したほうが整理しやすくなります。

直近のシフトを数か月分見て、

  • 夜勤は何回入っているか
  • 早番・遅番はどのくらいあるか
  • 特定の勤務が何日も続いていないか
  • 自分が提出した希望休はどう扱われているか
  • 途中で勤務や担当が変更されていないか

などを見ていきます。

ここで目的にしたいのは、「自分が一番損をしている」と証明することではありません。

たとえば、

「なんとなく遅番ばかりだと思っていたけれど、実際に見ると今月だけだった」

と分かることもあります。

反対に、

「ここ数か月ずっと同じ勤務に偏っている」

「希望を伝えた後も変わっていない」

と確認できることもあります。

どちらであっても、感覚だけで考えている状態から一歩進めます。

自分が伝えた希望・勤務条件・担当業務も一緒に確認する

シフト表だけを見ても、なぜその配分になっているのか分からないことがあります。

そこで次に、自分の勤務条件や、これまで職場へ伝えてきた内容も確認します。

確認したいのは、

  • 採用時に聞いていた勤務条件
  • 労働条件通知書や雇用契約書
  • 就業規則
  • 自分が提出している勤務希望
  • 夜勤に入りたい・減らしたいなど、これまで伝えた内容
  • 現場以外に担当している業務
  • シフト変更時に受けた説明

などです。

労働契約を結ぶ際には、始業・終業時刻や休日・休暇、交替制勤務に関する事項など、一定の労働条件を明示することが定められています。

そのため、「最初に聞いていた働き方と現在の勤務がかなり違う」と感じる場合は、一度書類や就業規則へ戻って確認する意味があります。

労働条件の変更は、労働者と使用者の合意によることが原則です。

ただし、変更後の就業規則が周知され、変更内容が合理的である場合などには、就業規則の変更によって労働条件が変更されることもあります。

個別の状況によって判断が変わるため、「同意していないからすべて無効」と一律には判断せず、必要な場合は外部の相談窓口や専門家へ確認してください。

「希望休」と「年次有給休暇」は分けて考える

介護現場では「希望休」という言葉をよく使いますが、職場内でシフト作成のために提出する希望休と、法律上の年次有給休暇は同じものではありません。

希望休を月に何日まで出せるか、どのように調整するかは、職場のルールも確認する必要があります。

一方、年次有給休暇は原則として労働者が請求した時季に取得する仕組みで、事業の正常な運営を妨げる場合には、使用者が別の時季へ変更できることがあります。

「希望休が通らなかった」という話をするときも、まず何の休みを希望していたのかを分けておくと、相談内容が曖昧になりにくくなります。

夜勤回数は収入にも影響することがある

夜勤についても、「多いほうが大変、少ないほうが楽」とは限りません。

夜勤を減らしたい人もいれば、収入面から一定回数入りたい人もいます。

午後10時から午前5時までの深夜労働には、法律上、通常の賃金に対して25%以上の割増賃金が必要です。

これとは別に夜勤手当をどう設定しているかは職場によって異なります。

そのため、夜勤回数の変更によって収入への影響がある場合は、それも相談するときの条件として整理しておいたほうがよいでしょう。

私自身も、勤務回数だけでは「公平」を判断できないと感じた

私も介護現場で働きながら、事務業務を兼任していた時期があります。

当時は事務作業の時間を確保する事情もあり、遅番固定で、フロアリーダー業務からは外れていました。

その後、十分な事前相談がないまま、翌月から早番・日勤・遅番を含むシフトへ対応し、フロアリーダーも担当する形へ変わりました。一方で、私自身は夜勤を希望していましたが、変更後も夜勤には入りませんでした。

そこで感じたのは、「勤務の種類を増やせば公平になる」というほど単純ではないということでした。

現場業務だけでなく事務業務も担当していたこと。夜勤を希望していたこと。勤務や役割が変わる一方で、その理由や条件がどう説明されたか。

こうしたことを一緒に見なければ、自分にとって何が問題なのか整理できませんでした。

これは、私が経験した一つの職場での話です。

ただ、シフトに違和感を持ったときに、勤務回数だけでなく、担当業務・本人の希望・収入への影響・変更理由・職場からの説明まで確認するという視点は、自分の状況を整理するときにも使えると思います。

相談前に「確認したいこと」と「変えてほしいこと」を分ける

ここまで整理できたら、次は職場へ何を伝えるのかを考えます。

「シフトが不公平です」だけでは、相手も何を確認し、何を変えればよいのか分かりにくいことがあります。

相談するときは、次の4つに分けると伝えやすくなります。

  1. 実際に起きていること
  2. 自分への影響
  3. 確認したいこと
  4. 希望する変更

たとえば、

「ここ数か月、遅番が続いていて勤務表を確認しました。生活リズムへの負担も大きくなっているので、遅番が多い理由を一度確認したいです。可能であれば、来月以降の勤務配分も検討してもらえないでしょうか。」

という形です。

夜勤を希望している場合なら、

「夜勤に入りたいことは以前にもお伝えしていますが、現在も入っていないため、理由を確認したいです。担当業務や勤務条件との関係で難しいのであれば、その条件も教えてほしいです。」

と聞くこともできます。

ここで大切なのは、他の職員を責めることではありません。

「あの人だけ優遇されている」

「自分よりあの人の希望が通るのはおかしい」

と相手の事情を推測するより、自分の勤務がどうなっていて、何に困っていて、何を確認・変更したいのかへ戻したほうが相談しやすくなります。

相談後は「希望が通ったか」だけでなく、職場の説明と対応を見る

相談したからといって、自分の希望がすべて通るとは限りません。

シフトは複数の職員の勤務条件や人員配置を調整して作られるため、希望どおりにできないこともあります。

だからこそ、相談後は結果だけでなく、職場がどう対応したかも見ていきます。

たとえば、

  • なぜ現在の勤務配分になっているのか説明があった
  • 自分が伝えた希望を確認してくれた
  • すぐには変えられなくても、今後の調整について話があった
  • 担当業務との兼ね合いを見直してくれた
  • 一部だけでも勤務を調整した
  • 一定期間後にもう一度確認することになった

のであれば、希望が100%通っていなくても、職場が希望を受けて検討・調整しようとしているかを判断できます。

一方で、

  • 理由を確認しても説明がない
  • 希望を伝えても検討された形跡がない
  • 勤務条件を変えても説明がほとんどない
  • 同じ負担が長期間続いている
  • 生活や収入への大きな影響を伝えても取り合われない

という状態が続くのであれば、それも今後この職場で働き続けるかを考える材料になります。

大切なのは、「自分の希望が一度通らなかったから悪い職場」と決めることでも、「人手不足だから仕方ない」とすべて受け入れることでもありません。

違いの理由を確認できるか。希望を伝えた後に検討されるか。必要な説明や調整があるか。

そこまで含めて見ていくことです。

なお、労働条件の変更や休日、賃金などについて法的な疑問がある場合は、個別事情によって判断が変わります。職場内だけで判断できないときは、内容に応じて労働基準監督署や総合労働相談コーナー、法律の専門家などへ確認してください。

「不公平か」を決める前に、相談できる事実へ変えておく

シフトへの違和感があると、

「自分だけ損をしているのではないか」

という気持ちが先に出ることがあります。

その気持ち自体を「わがまま」と消す必要はありません。

ただ、相談するときは、

  • 実際の勤務配分
  • 自分が提出した希望
  • 雇用条件や担当業務
  • 職場から受けた説明
  • 偏りが続いている期間
  • 生活・収入・健康・業務への影響
  • 確認したいこと
  • 変えてほしいこと

へ分けたほうが、次に何をすればよいか見えやすくなります。

すでに相談した後なら

すでにシフトについて相談しているのに、説明も調整もなく同じ状態が続いている場合は、相談前とは判断する段階が変わります。

→ 介護職が上司に相談しても変わらないときの判断基準

今の職場に残るか、異動するか、転職するかまで考え始めている場合は、変えたいものから選択肢を比較できます。

→ 介護職の異動と転職、どちらを選ぶ?変えたいものから考える判断基準

すでに介護業界内で転職する方向を決めている場合は、求人を見る前に次の職場で外せない条件を整理しておく方法があります。

→ 介護職が転職すると決めたあと、何から始める?活動前に整理したいこと

まだ職場へ相談する前であれば、シフト表や自分が伝えた希望、勤務条件、職場から受けた説明を確認したうえで、相談に使える形で事実を残しておくと動きやすくなります。

次の記事では、日時・起きたこと・仕事への影響などを、相手に伝わる事実メモへ整理する方法をまとめています。

介護職が人間関係の相談前に残したい記録|事実メモの書き方
介護職が人間関係の相談前に残したい記録|事実メモの書き方

制度情報について

制度情報確認日:2026年9月16日

この記事では、労働条件の明示・変更、年次有給休暇、深夜割増賃金、外部相談先について厚生労働省等の公的情報を確認しています。

著者プロフィール
なやま
なやま
介護職約10年|介護福祉士|心理資格3種|複数回の転職を経験 介護現場の人間関係・職場の理不尽・自責や「辞めたい」を、実体験と心理の両面から整理。 自分だけの問題だと抱え込まず、残る・相談する・異動する・転職するなど、次の行動を選ぶための判断材料を発信しています。

介護の仕事で感じたことや、私自身の経験・考え方はnoteでも書いています。

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